杉の乾燥材に関するQ&A

Photo_31 産地ツアーで宮崎に行ってきました。

宮崎には最先端の杉の研究施設もあり、杉を知ってもらうには最高の所と思っています。

また、杉を研究されている著名な先生方にも出会え、色々教えていただきました。

立ち並ぶ人工乾燥機   その中で私どもの質問にもお答えいただいたので、お話します。

Q:120度の高温乾燥では内部割れや繊維の崩壊が起こるか?

A:以前はそのような事例が多くありました。乾燥スケジュールの不備でそのようなことも起こりえますが、現在は理論も実績も積み重ね、大丈夫だと言えます。 しかし、あくまでも、工場の乾燥工程に対する考え方によってピンからキリまで差があるので、正しい乾燥工程(時間と手間をかける)で仕事をしている工場を選ぶことが大切です。

Q:杉の人工乾燥材は釘を折れるほど錆びさせるか?

A:杉などは乾燥すると酸性に寄っていきますから、釘を錆びさせるといえますが、天然乾燥材でも同じことと言えます。乾燥レベルの高い物ほど、錆びはしますが水分、酸素が少なく進行は止まります。ですから、正しく乾燥された人工乾燥材は、釘が錆びて折れることにはなりにくいと言えます。

※ 昔から大工さんが口に釘を含んでから釘打ちするのはあえて錆びさせるためだそうです。木の中での止まりを良くするためです。

このような内容の話など、色々産地に行って、聞いてきたこと、見てきたことをまた、折を見てお話します。

wrote by Nishida

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杉の乾燥材に関するQ&Aを参照しているブログ:

コメント

本Q&Aは、2006年12月14日の書き込みですね
現時点(2009/05/07)でも、高温乾燥に問題ないと言われるのですか?
高温乾燥から従来の中温乾燥に変えている人もおれば、高温乾燥の出始めたころから、木の香り、色具合を重視したら、高温乾燥をしなかったところも多かったはずです。ネット上ですが、製材屋さんが、同じように、中温乾燥での材の良さをうったえているところもあります。面割れをなくすために、無理な高温乾燥処理をしていませんか?。第一、このようなQ&Aが、そんなに簡単に、解決できたのですか?宮崎の方は、初期含水率が120%以上で、大きくバラツキ、黒芯材も多くあるはずです、高温処理を他の県に比べ、短くできないでしょう、その結果、内部割れも多いはずと思えます

釘についてですが、法隆寺の昭和の解体修理の際、飛鳥時代に打ち込まれた雨のかからなかった部分の釘を抜くと、咋日鍛治場から出たような青光りのままの状態で残っており、これを修復時に再び使用しました。
釘を錆びさせて、抜けにくくしたとのことですか。
終戦直後から始まった、在来工法は、バラック建てとと言われる由縁がここにあったのですね。いかに釘を使わず建てるかが、伝統工法でしょう。釘を使ったり、金具工法など、もってのほかと思んです。乾燥機の中へ、素材にクロムメッキした金具を入れて、一回乾燥処理したらだけで、ボロボロですよ。金具メーカーのHPでは、金具の開発に、いろいろな耐錆試験をおこなったと書いています。正しく乾燥された人工乾燥材では、錆びないなら?金具メーカーに、余計なコストのかかる試験なしで、メッキも必要なしと言えますね。
このQ & Aは、大変勉強になりまた。

ご指摘、ご意見有難うございます。
筆力足らずで、誤解を与えたようですね。、申し訳ありません。
改めて、釘の錆びについての見解を致します。
まず、昔の鋳鉄製の釘と現在良く使われる釘とは、根本的に違います。鋳鉄は錆びますが、程よく錆びると云えます、表面近く、打ち込まれた木の繊維に接する所が錆び→酸化することによって保持力を高めます。内部までは錆びない為、抜いた釘は再利用が可能です。
現在の釘は錆びないようにメッキを施した物や、ステンレス製の物等多種様々です。錆びて朽ちてしまう物も有ります。
もちろん、鋳鉄製の昔ながらの釘も細々と売られていますが、住宅建築の中ではあまり出回っていないようです。市場に多く出回っている釘の価格の何十倍もするからだと思います。
話はそれましたが、今回の「杉の木の人工乾燥材は酸性に寄る」は、天然乾燥材でも乾燥すれば酸性になります、また、酸性に寄って行っても大きな問題では無いですよと、云うことが言いたかったのです。
釘の問題点はもっとあるかも知れませんが、今回のお話の趣旨はそういった点であるとご理解下さい。

もう一点の高温乾燥についてですが、乾燥時間のコントロールが大事です。仰る通り高温乾燥の出回りはじめの頃は内部割れも多く、材の性質も落ちることが多々有りました。最近の乾燥方法は単に高温で乾かすのではなく、最初の30時間は高温で、その後の300時間は中温から低温で、と云うようなその材の大きさに合わせてスケジュールを調整しています。もちろん、先日書いたように、柱や梁を製材する工場の姿勢や考え方によって乾燥方法は様々です。私共も日本各地の製材工場と提携しています。それぞれ考え方も違い、方法も違います、天乾しか出来ない工場も有ります。しかし、云えることは乾燥材で有ることが大事です。乾燥していく段階で木は必ず収縮します。表面割れ、内部割れのどちらかもしくは両方が起こりえます。私共は割れを出来るだけ防ぎたいとは考えていますが、割れない材が絶対必要とは思って
いません。家を建てる中で、寸安定を求めています。
乾燥時間を短くすることも求めていません、むしろ、長く取るように指示しています。含水率は大きな目安ですが、乾燥工程が大事です。一生に一度の大仕事と云える家造りにおいて、良材をお届けすること、その為には、乾燥にこだわることが、私共のポジションだと考えています。
最近、千葉の材木店から県産材で提案したいと相談有りました。仲間のつてを使って一件の製材所と出会い、先日、製材所に行ってきました。丸太は揃いますが、大きな材は仕上げることが出来ません、乾燥機は1機有りますが、フル稼働中です。相談した結果、2〜3ヶ月かければなんとか材を揃えて、乾燥もそこそこ出来、含水率も整えることも出来るだろうと云うことになりました。通常のルートなら長過ぎる時間ですが、工務店さんや住まい手に理解を求め、地域の材木店とも協力しながら、一緒にやっていくつもりです。
乾燥方法は様々です、天然乾燥、人工乾燥、また、人工乾燥でも様々な方法、理論が有ります。しかし、大事なのは製材工場なりの乾燥に対する考え方です。
先日見たNHKの番組の中でお米の生産者によって同じ大潟村産の米でもピンキリだと米問屋の方が言っていました。木材も一緒です、製材工場の姿勢によって同じ宮崎県さんでも全く違います。

初期含水率が120%以上、黒芯の材は、乾燥機に入れても中々含水率は落ちません。柱や梁の用途ではなく、製材段階で板材用に振り分けます。もし、構造材に紛れて乾燥機に入れた場合は、乾燥機から出した後、時間をかけて養生します。
私共の協力工場は、良い物をお届けしようとする心を持っています。材を一本一本見極めてくれていますので、ご忠告あったような大量生産型の工場のような早く乾燥機から出して直ぐ製品として売るような考え方はしていないと信じていますし、その為にも私共は足繁く、生産者である産地に出向いて日々向上するように意見を交換しています。
最後に、真剣なご意見有難うございます。言葉が足らず誤解を与えてしまったことを反省しております、木童と2人3脚で頑張ってくれている生産者共々、日々精進したいと思います。今後とも、よろしお願い致します。

丁寧なわかりやすい返答ありがとうございました。
早速ですが、現状の林業のことを考えると高温乾燥により、焦げ臭い、焦げたような色になるのは、しかたがないと言う人もおられます。
特に、スギの場合の高温乾燥は、120-90℃の温度で、ドライングセットして、材面割れを少なくすることにのみ目的があり、
その目的のために、処理時間を長くする傾向です。
しかし、長く処理すれば、材面割れは、少なくなるが、内部割れが多くなります。
柱材では、内部割れ問題ないとの回答を出す人もいます。
梁材では、強度に影響するために、内部割れを嫌います。
上記の割れ軽減を考慮して、適正な時間を探し出し、18時間から24時間がベストと言われるのが、一般的なんでしょう。
しかし、材面割れの不良率を減らすために、返答内の30時間と書かれているのでしょう。(スギの乾燥処理と判断します)
次に、言われるように、90℃以下の温度で、処理すれば、内部割れも少なくなるとのことから、その温度で処理する方向になっています。
しかし、処理時間が、あまりにも長くなりすぎるために、ドライングセット処理温度から、一気に90℃にしているところは、きわめて
少ないと思われます。
処理時間に約330時間が、許されるなら、高温処理をのぞき、昔の80℃の中温乾燥のみを推奨したいところです。
言われる処理なら、30+300=330時間=約14日間=約2週間になりますね。
10~12日が許されるなら、中温乾燥でしょう。(初期含水率で、多少のズレは、あります)
高温乾燥は、5日間で処理できることが、売りになっていませんか?
これらの処理時間は、本来、初期含水率により変化するのですが、炉メーカーは、いかに速くできるかで、競争でしょう。
炉メーカーは、生産性のみを考慮して、コストパフォーマンスが、良いことを訴えての処理時間でしょう。
また、最近まで、高温乾燥をおこなっていたが、中温乾燥に戻したところが、多いとも聞きます。
私の言いたいのは、高温処理すれば、セミロースが糖分に変わり、耐蟻性が落ちる。
次に、焦げくさい臭いは、酸性に変化した成分が、多くあると思うのです。
言われる、天然でも人工でも、酸性になり、大きな問題ないとの返答ですが、80℃以上の温度で、長時間、ましてや120℃及び100℃以上
の高温で処理すれば、天然乾燥に比較にならない状態の酸性になっていると思われます。
その証拠が、高温乾燥処理材の焦げ臭い、酸っぱい臭いです。(この臭い=酸性が多いと思うことが、間違っているかもしれません)
次に、人工乾燥した材は、金具工法になっているのが現状でしょう。
そのメッキ金具及びボルトが、酸性した材に対して、短期間で、錆びないはずがないと思います。
そのようなことから、乾燥は、必要と思う中で、中温乾燥80℃以下の温度処理、許されるなら天然乾燥と言いたいところです。 
次に、材においてですが、節だらけの間伐材を使用しているところが多いことに驚きです。
節の少ない、年輪の揃った木で、切り出し時期を考慮した状態なら、中温乾燥でも材面割れの少ない乾燥ができています。
まずは、乾燥云々という前に、どれだけ素直な良い木材をそろえるかで、良い製材ができ、良い乾燥になり、
長期耐久の家が建てられるかと思う次第です。
上記のような材は、コスト的にそろえられないと言われそうですが?。
最近の木造の家にいくと、あまりにも多い節だらけの家に、びっくりしています。
そのような家を建てられた方は、若い人が多いので、意外と節に、不快感を感じないのかなと無理矢理納得です。
私などは、なんと手入れ不届きな材を使用しているのだろうと思う次第です。
あなたの言っていることは、現状の林業では、無理です。
コスト的に無理ですと言われそうですが、正確に判らないのですが、総建築費の木材のみの費比率から、
そんなに無理でないとも思える次第です。
あまりにも、最近の家は、コスト優先な状態で、建築がなせれるいることに、大変寂しく思い、失礼な投稿部分も有るかもしれませんが、
投稿させてもらいました。
現状の林業は、木を育てるところから、いろんな難しい問題があるのでしょうが、一番に良い木を育ててほしいと思います。
失礼なところは、ご勘弁ください。